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お墓


蛹の中に篭った幼虫は一旦液状化します
そこから羽や触覚を形成して固まり、殻を破って飛び立つのです
蛹の中に篭った幼虫は一旦液状化します
痛みもなければ意思もない
蛹の中に篭った幼虫は一旦液状化します
中身は透明な粘液と黄色い中身で生卵のようです(本当に)
蛹の中に篭った幼虫は一旦液状化します
潰した蛹は元に戻らない

ある女の子が綺麗な幼虫を見つけました
二匹の幼虫を一つの籠に入れて、学校で育てていた花の葉っぱを餌にして
丹精込めて育てました
それが蝶なのか蛾なのかは分からないまま、夏休みになりました
女の子はそれでも毎日学校へ行き、幼虫の世話をしました
葉っぱを食べ終えるまでロッカーの上で一列に並ぶヒヤシンスを描きました
季節はもう秋に変わろうとしていました
幼虫は硬い殻を纏った蛹になりました
いつか旅立つ蛹を見つめて、女の子はニコニコと笑っていました
そんなある朝のことでした
蛹が一つなくなってしまったのです
女の子はパニックを起こし泣きながら蛹を探しました
しかし、見つからないまま朝礼の時間を迎えてしまいました
女の子は目を赤くしたまま教室へ戻り、席につきました

プチ

不穏な音と湿った感触に、女の子は嫌な予感がしました
恐る恐る腰を浮かせて椅子を見ると、予感は的中していました
椅子の前で跪き、静かに泣いている女の子の目線の先には、粘っこい透明な液と、黄色い液状の何かがありました。

それから更に月日が経ち、もう一つの蛹は無事に孵りました
綺麗な幼虫の正体は、セスジスズメというスズメガ科の蛾でした
幼虫の頃とは打って変わった地味すぎるステルス迷彩を見て唖然としている女の子を尻目に
セスジスズメは低く狭い曇り空へ飛び立ってゆきました
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