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お墓


下のハゲた日吉で何かが派生したようです


 
―――レイニーウユニヘッドの日吉。それが彼の異名だった。
氷帝学園テニス部に所属しており、二年にしてレギュラー入り、そして次期部長候補
さらさらと靡くオレンジがかった茶髪と端正な顔立ちに誰にも指図されず自分を貫くその性格で女子生徒からは大人気である。
S3の座を奪いかねている以外に、傍から見れば何も不満は無さそうなものだが、ある日それは起こった。

日吉が頭上に光を湛えて登校したのだ

そう、彼は何を思ったか髪を全て剃ったのか刈ったのか抜いたのか、スキンヘッドになっていた。
それを見た女生徒は当然、男子生徒も大騒ぎをするに決まっている。

「日吉君どうしたのその頭!!」
「なんで髪が全部無いの!?」
「なんだよそのハゲ頭は!」
「うおっまぶしっ」

生徒らは日吉を取り囲み質問攻めにするが日吉は何も答えず、誇らしそうに威風堂々と教室へ向け歩いていく。
氷帝学園は都内でも群を抜く大きさなので校門から二年の教室まで結構な距離があった。
何も答えない日吉に生徒らは口数が減っていく、しかし取り巻く人数は全く減らなかった。
が、話し掛けずただ日吉について行っているわけでは無い
生徒らは総じて日吉の頭に目を捕られていたのだ。
十歩の短い距離が長く感じられるほど、日吉のスキンヘッドは魅力的だった・・・
まるで映せないものなど無いと感じさせる程の艶とこれ以上はないと思わせる透明感を持つ雨季のウユニ塩湖のような日吉の頭。
その美しさに当初抱いていた疑問など忘れ、いつしか皆がこう思い始めていた。

「・・・触りたい・・・」

そう日吉を取り巻いていた生徒らの想いがシンクロした時、
200人が同時に、無意識に、壊れたおもちゃのように日吉の頭に飛び掛って行った。
一気に押し潰される日吉と日吉のウユニ塩湖を触ろうと必死になる生徒、
大勢が圧し掛かるので触れる者は当然少なく、触りたいが為に殴り合いを始める生徒までいた。
MajiでHandを出す5秒前の言い合いをする生徒が増え始めた時
生徒の山から必死の形相で逃げ出す日吉の姿を、非常口の蛍光灯に描かれている絵だけが見ていた。

こうして永遠に語り継がれるであろうウユニ塩湖騒動は幕を閉じた―――筈だった。
あの騒動から一週間を過ぎた頃、日吉の頭を触ったと言う生徒らがある話を友達に打ち明けていたのだ。
それも、「バイト先のリーダーが突然クビになり、次期リーダーの話を持ちかけられた」
「僕よりも数段強い筈の先輩に、まぐれかも知れないが勝ってしまった」
「父の上司だった人の息子が自分を苛めていたが、今回父が昇進してその息子が媚び諂うようになった」など、
日吉の目標であり口癖でもある"下克上"を成し遂げたと思われるものばかりだった。

そう、「日吉の頭を撫でると下克上を達成できるという利益がある」のだ

この話は一日にして学校中に知れ渡り、日吉はいつしかレイニーウユニヘッドの日吉と呼ばれるようになったのである。
しかし現在は髪も生え揃い、「あの美しいウユニ塩湖もご利益も拝めない」と生徒と教師らは残念そうに笑っていたのだった。

Comments

 
くそ吹いたwwwww
これは釈迦の生まれ変わりだなwwwwwww
 
そうです。
だからこそ日吉は和の心を忘れないのでしょう。
きっと仏教徒に決まっているのです。
そう、天からの声が私には聞こえています。

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